米津玄師「Lemon」歌詞の意味は?果物のレモンとの関係性を考察!

TBS系列にて放送中の金曜ドラマ「アンナチュラル」。

その主題歌として大きな反響を呼んでいる米津玄師さんの「Lemon」の歌詞について、「どのような意味を持っているのか」と気になる方が急増中のようです。

今回は、歌詞の内容を俯瞰しつつ、そこに込められた米津さんの「想い」について考察してみたいと思います。

歌詞に登場する二人のストーリーに着目してみると…

米津玄師「Lemon」のMV動画(YouTube)はコチラ

ドラマ内容が「不自然死研究所」を舞台とする「死」を扱ったものであることと、米津さん自身が雑誌インタビューにて「この曲を作っている最中にうちのじいちゃんが死んだんです。それで今まで自分の中で作り上げてきた『死』に対する価値観がゼロになった。結果、『あなたが死んで悲しいです』とずっと言ってるだけの曲になりました」と語っていることから、「大切な人との死別を歌った曲」と考えている方も少なくないようですね。

また、この曲が当初より「アンナチュラルの主題歌」という決定ありきで作られたものであることも、やはり「死別」がテーマだと推測する根拠になっているようです。

しかし、歌詞に登場する二人のストーリーについて、私個人の考えは少し違います。

なぜなら、この楽曲の歌詞には、想いをつづった対象者が現在進行形で存在していることが示唆されているからです。

ただ、たとえ二人が生きていて互いを想い合っていたとしても、さまざまな理由から「永遠の別れ」が訪れることはありますね。

それは、物理的な距離が離れた場合かもしれませんし、どちらかが「完全なる別の未来」を選択したときかもしれません。

ですからこの曲は、米津さんが「身内の死」にインスパイアされた、「永遠の別れ(その原因は死と限定されていない)」を主軸に置いた曲であると考えます。

においに関する記憶は色あせにくい

次に、楽曲名でもあり、歌詞の中にも登場する「Lemon」についての考察です。

「においに関する記憶は色あせにくい」という事実をご存知でしょうか?

ヒトの嗅覚に関するシグナルは、視床を通らずダイレクトに大脳へ流れ込むため、何らかの香りを伴った記憶は、心にとどまりやすいんだそうです。

私にも経験があるのですが、ある特定のにおいを嗅いだときに、瞬間的に同じにおいをまとっていた知人との思い出がフラッシュバックされた…なんてことがないですか?

おそらくこの歌の主人公は、彼女(全体の流れから察するに、私はこの曲は恋愛の歌だと思っています)との思い出に「レモンの香り」が紐づいていたのでしょう。

歌詞では「あなたとの思い出=レモンの匂い」という関連性が示唆されていますから、彼女がレモンや柑橘系の香水を好んでいたのかもしれませんし、レモンティーをよく飲んでいた、なんてこともあり得るかも。

そのため、今もふとレモンの香りを嗅ぐと、彼女のことが胸に浮かんでしまうのではないでしょうか。

また、「1/2の林檎」という話があるように、二つに切り分けられたフルーツなどは、「別れてしまった運命の二人」の象徴として比喩表現に使われる場合があります。

歌の主人公は、「本来一つのものであったほどに大切な片割れ」との永遠の別れを憂い、そこから進むことができないでいるのかも知れませんね。

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