米津玄師さんの楽曲「Lemon」が、かなりの注目を集めています。
ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として耳にしてから気になり、PVまでしっかりチェックしてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私もそのクチです^^;
しかしこちらのPVについては、「内容が難解」「何を表現しているのか解説してほしい」という声も少なくないようですね。
ということで今回は、「Lemon」のPVに込められた想いについて、じっくり考察してみたいと思います!
「逆再生」は単純な「違和感」の演出だけでない?
まずは、PVの舞台を確認してみましょう。
建物の内装や椅子の形状から察するに、「教会」のように思えます。
祈りをささげるようなポーズがたびたび見受けられることからも、「教会で何らかの儀式が行われている状況」だと推察できそうですね。
ただ、登場人物の表情は一様に曇っており、画面構成も非常に暗く、喜ばしいことが起こっているわけではなさそうです。
ドラマ自体が「死」を主題にしているため、「葬儀」といった死にまつわる儀式の最中と考えて差し支えないと考えます。
また、このPVにおける手法で特筆すべきは、「逆再生」が用いられていること。
女性ダンサーの髪の動きなどを見るに、一部の映像が従来の流れと「逆再生」されているようなんですよ。
この効果について考えると、単純に映像的な「違和感」を生み出し、視聴者に引っかかりを持たせるという目的もあるのでしょうが、それだけではないように思います。
逆再生が与える「不自然な違和感」は、決して時間の流れには逆らうことができない・楽しかった日々には戻れない(巻き戻せない)という「悲しみ」を表現している気がしてなりません。
加えて葬儀の時って、「逆さ事」といい、いろいろな手順を通常とは逆に行うんですよね。
「死者の世界はこの世とは反対になっている」という考え方からきているらしいのですが、死装束の合わせ方などが良い例かと思います。
このことからも、やはりこのPVのテーマが「死」、もしくは何らかの「終焉」であると思わずにはいられません。
米津さんが履いている「ハイヒール」の意味は?
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もう一つ気になって仕方がないのは、米津さんが履いている「ハイヒール」
通常、男性がピンヒールの靴を身に付けることなんてないですよね。
ここでも大きな「違和感」が生じます。
私の考察では、この「ハイヒール」も、大きな悲しみによってあべこべになってしまった世界の象徴のように感じるんです。
また、ピンヒールを履くと足元がおぼつかなくなりますから、大切な人を失ったことで今後正常に自分の道を歩いていけるか分からない…という歌い手の不安をも表現している気がします。
さらに、「人の心に土足で入ってこないで!」なんて言い回しがあるように、ある種「素足」でいることって、相手との距離感が近いことを示唆していると思うんですよ。
だから、ハイヒールというかしこまった靴が、大切な人との「縮まることのない距離感」や「物理的なもの以上に高い心の壁」の比喩表現であるとも解釈できないでしょうか?
受け取り手によって感じ方は様々だと思いますが、「Lemon」は美しくも悲しい歌であると言えそうですね。
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