当ブログでは、インスタ、Twitter、Facebook、LINE、YouTubeなどの広告に掲載されている「株式会社キラバイ」を名乗る中華系詐欺サイトを幾つか扱ってきました。
当ブログで扱ってきたサイトはdkgirl、FASHIONDM、inslovely、voguesolo、dw style、fashionECの7サイトになりますが
「なぜこれらサイトが中華系詐欺サイトと断言できるのか?」
「なぜこれらサイトが同一の運営者(運営会社)だと言えるのか?」
今回はこの理由について解説します。
日本人運営の国内サイトではない
ほとんどの方がお気付きだとは思いますが、上記のサイトは日本人運営のサイトではありませんし、日本国内運営のサイトでもありません。
サイトの情報はドメイン(URL)やIPアドレスの所有者情報が検索できる「WHOIS」というサービスで分かります。
ただし、WHOISの情報はほとんどのサイトが代理登録サービスを利用しているため、実際に分かるのはサイトが利用しているレンタルサーバー会社のみになります。
サイトを運営する場合は、サイトを設置するレンタルサーバーと必ず契約する必要があります。(無料ブログはサーバー契約の必要がありません)
株式会社キラバイの中華系詐欺サイトは全て同じレンタルサーバー会社を利用しています。
例えばdkgirlのWHOIS情報を調べてみると以下のようになっています。
Cloudflare(CDN)が導入されており、通常特定はちょっと厳しいですが、dkgirlは「godaddy」という海外のレンタルサーバーを利用していると考えられます。
日本人、もしくは日本国内在住で「godaddy」の海外レンタルサーバーを利用している人はほとんどいません。
1つ注意してほしいのは、「海外サーバーを使っている=外国人」では無いという点です。
日本人、もしくは日本国内在住の方でも国内サーバーではなく、あえて海外サーバーを利用する場合はあります。
ただし、「godaddy」は海外では有名なようですが、日本ではほとんど無名に近いサーバーですので、「godaddy」サーバー利用者は外国人、もしくは国外在住の可能性がかなり高いです。
そして、株式会社キラバイの中華系詐欺サイトは全て「godaddy」サーバーを利用していますので、外国人もしくは外国在住の運営者(運営会社)の可能性がかなり高いと言えます。
韓国のサイトでもない
株式会社キラバイの中華系詐欺サイトの商品は最近流行りの、韓国風オルチャンファッションを装っているため、韓国のサイトだと思った方もいるかもしれません。
しかし、株式会社キラバイのサイトに記載されている特商法の表記を見てみると、商品の返品先として以下のような住所が記載されています。
・中国 福建省 莆田市 城厢区 鳳凰山街 学園路中街NO.863
・No. 259, Middle Road Putian Road Lantau Peak street Chengxiang District Fujian China
どちらも中国の住所です。
ちなみに、韓国ファッション通販サイトで人気のあるGOGOSINGの「特定商取引法に基づく表記」を見てみると、会社の所在地や返品先は韓国の住所が記載されています。
また、株式会社キラバイの中華系詐欺サイトで売られている商品は、中国の某通販サイトにて同じ商品が売られているのを確認済みです。
ここでは一例を紹介しておきますが、詳しくは当ブログのdkgirl、FASHIONDM、inslovely、voguesolo、dw style、fashionECそれぞれの記事をご覧ください。(サイト名をクリックすると各サイトのレビュー記事にとびます)
dkgirlで販売している「カジュアルポリエステル長袖アルファベットロングプルオーバーワンピース」1,675円
中国の某通販サイトにて348円で販売
woopinkで販売中の「シンプル無地長袖シャツ秋ハイウエストズボンセットアップ」4,290円
中国の某通販サイトにて1,014円で販売
HASSYONで販売している「女性らしい オリジナル ファッション エレガント 無地 ハンドバッグ」5,400円
中国某サイトにて1,189円で販売
dw styleで販売している「超人気ファッション気質コットンノースリーブシングルブレストカジュアルワンピース」3,593円
中国某サイトにて912円で販売
以上の事から、株式会社キラバイの中華系詐欺サイトは、中国で中国人が運営を行い、現地で商品を購入して、3~5倍ほどの価格で日本人をターゲットにサイトを通して販売、発送を行っていると思われます。
Twitterなどの口コミで「商品の到着が遅い!」という声が結構見られましたが、これは、中国人業者がサイトを通して注文を受けてから、現地のお店で一般消費者として商品購入して、商品を発送しているからだと思われます。
つまり、株式会社キラバイの中華系詐欺サイトは普通のネットショップを装っていますが、実際は無在庫の横流し業者という事です。
海外で商品を買い付けて、日本で転売する業者は数多くありますが、株式会社キラバイの中華系詐欺サイトはそれら正規の業者とは異なります。
「特定商取引法に基づく表記」がデタラメ
以下は株式会社キラバイの中華系詐欺サイトで、各サイトに記載された「特定商取引法に基づく表記」の抜粋になります。
・事業者名…株式会社キラバイ ⇒ 実在しない
・所在地…千葉県浦安市東野一丁目41番5号 ⇒ 実在しない
・電話番号…07-8456-4570 ⇒ 英語の留守番電話メッセージ、つながらない
・サイトURL…https://www.dkgirl.com/company.html
・事業者名…株式会社キラバイ ⇒ 実在しない
・所在地…千葉県浦安市東野一丁目41番5号 ⇒ 普通の民家
・電話番号…07-8456-4570 ⇒ 使われていない電話番号
・サイトURL…https://www.fashiondm.com/company.html
・事業者名…記載なし
・所在地…埼玉県川口市西川口一丁目41番5号 ⇒ 空きビル
・電話番号…50-3204-4721 ⇒ 使われていない電話番号
・サイトURL…http://www.shoespt.com/company.html
・事業者名…記載なし
・所在地…千葉県浦安市東野一丁目41番5号 ⇒ 実在しない
・電話番号…81-50-3204-4762 ⇒ 使われていない電話番号
・サイトURL…https://www.voguesolo.com/company.html
・事業者名…記載なし
・所在地…埼玉県川口市西川口一丁目41番5号 ⇒ 実在しない
・電話番号…0645605420 ⇒ 英語の留守番電話メッセージ、つながらない
・サイトURL…https://www.dwstyle.com/faq.html
・事業者名…株式会社キラバイ ⇒ 実在しない
・所在地…埼玉県川口市西川口一丁目41番5号 ⇒ 実在しない
・電話番号…50-3204-4792 ⇒ 使われていない電話番号
・サイトURL…https://www.hassyon.com/company.html
・事業者名…株式会社キラバイ ⇒ 実在しない
・所在地…埼玉県越谷市赤山町3丁目26 ⇒ 住宅街の民家
・電話番号…05032044522 ⇒ カタコトの日本語アナウンスが流れるだけで電話にはつながらない
・サイトURL…https://www.fashionec.com/company.htmll
各サイトの「特定商取引法に基づく表記」を比べてみると、住所が被っていたり、電話番号を微妙に変えているだけだったりと、かなりいい加減な記載をしている事が分かります。
実在しない会社名や住所、使われていない電話番号を載せている時点で「詐欺サイトです」と言っているようなものです(笑)
また、それぞれのサイトの「特定商取引法に基づく表記」の書き方が非常に似ている事からも、dkgirl、FASHIONDM、inslovely、voguesolo、dw style、fashionECは全て同一の運営者(運営会社)の可能性がかなり高いです。
1つの運営会社がサイト名を変えて、複数の通販サイトを展開するやり方は詐欺サイトの典型です。
なぜ、同じ運営者(運営会社)が異なった名前の通販サイトを複数持つのかというと、例えばdkgirlの悪評が広まって、サイトごと消すことになった場合、他のサイトは同じ運営者(運営会社)でもサイト名が違うので、影響を受けることなく運営を続けることが出来るからです。
『中国で製造された商品』と『中国で販売している商品』は違います
日本で売られている服の多くは中国製ですので、「中国の商品でも品質に問題は無いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、『中国で製造された商品』と『中国で販売している商品』では意味が全く違います。
たしかに日本で売られている服の多くは「中国で製造された商品」ですが、中国で製造後、日本に輸入されて、しっかりした品質チェックを受けて、問題の無い商品だけが売られています。
しかし、「中国で販売している商品」というのは、中国で製造後、品質チェックを受けることなく(もしくはずさんな品質チェックを受けて)、売られている場合が多々あります。
ですので、中国の通販サイトで販売されている商品は、値段こそ安いですが、掲載画像と全く違う商品、粗悪品が送られてくる事があるのです。
株式会社キラバイの中華系詐欺サイトで売られている商品は、しっかりした品質チェックを受けた『中国で製造された商品』ではなく、粗悪品が多い『中国で販売している商品』の可能性がかなり高いです。
もしかしたら、全てが粗悪品では無いかもしれません。
中には品質に問題の無い商品も含まれているかもしれませんが、「一か八か」の運任せでの商品購入はオススメ出来ません。
既に中華系詐欺サイトで商品を購入してしまった場合
この記事を読んでいる方の中には、既に株式会社キラバイの中華系詐欺サイトで商品を購入してしまった方もいらっしゃると思います。
商品購入からそれほど時間が経っていないのであれば、サイトに問い合わせて商品購入のキャンセルを伝えましょう。
電話は繋がりませんが、メールで商品購入のキャンセル出来たという事例があります。
既に商品が届いている場合の返品事例は、私が知る限りありません。
多分、返品は国際郵便で郵送する必要があるため、送料や手間を考えると、あまり意味がないからだと思われます。
どうしても送られた商品に納得が出来ない、返金を要求したいという方は国の消費者センターに相談してみて下さい。
また、クレジット決済をした場合、相手が詐欺サイトですので、カード情報が盗まれたり、悪用されるのではないかという心配もあるかと思いますが、この点に関しては問題無いと個人的には思っています。
100%の確証はありませんが、株式会社キラバイの中華系詐欺サイトの目的は、「出来るだけ安い商品(粗悪品)を高く売りつける」ことです。
実際、商品の到着は遅いようですが、商品が届かなかったという事例は私の知る限りありません。一応、形だけではありますが、商品の発送は行われています。
カード情報を盗むような悪質な詐欺サイトは商品すら送ってきませんし、短期間(1ヶ月ぐらい)でサイトを閉鎖して逃げてしまいます。
とは言っても、私も100%の保証はありませんので、心配な方はカード会社に連絡をして、使用したカードを停止するようにして下さい。
ネット通販詐欺サイトの見分け方
ネット通販の詐欺サイトの見分け方として、1番簡単なのは「特定商取引法に基づく表記」のチェックです。
特商法の表記、特定商取引法の表示など呼び方に多少違いはありますが、「特定商取引法に基づく表記」は法律で記載が義務付けられていますので、ネットショップには必ず記載があります。
チェックするのは以下の3点です。
①事業者名(会社名)
②所在地(住所)
③電話番号
この3点の記載が無ければ怪しいと思って下さい。
記載があった場合でも、実在するかチェックを行います。
①事業者名(会社名)のリサーチは「国税庁の法人番号公表サイト」で会社名を入力してみて下さい。
データが無ければ実在しない会社です。
②住所はGoogleマップやストリートビューで検索してみましょう。
実在する住所でも、普通の民家だったり、廃ビル、森の中の場合があります。
③電話番号は直接かけてみるのが1番簡単で早いです。
こちらの番号を知られたくない場合は、電話番号の先頭に「184」をつけて下さい。相手には非通知と表示されます。
①②③に問題が無ければ、詐欺サイトの可能性はかなり低いはずです。
当ブログでは株式会社キラバイの中華系詐欺サイトについて、引き続き調査を継続していきます。
何か分かったときは追記していきます。
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