フィギュア団体戦の女子ショートプログラム(SP)に出場した宮原 知子選手の点数が、大きな議論を巻き起こしています。
ネットの声に耳を傾けると、「ミスなく滑り切ったのに、自己ベストに5.69点も及ばない68.95点で4位とは、余りにも点数が低すぎる」と、彼女の演技が正当な評価を受けていないという指摘が多く見受けられました。
と同時に、「日本のことが大嫌いな韓国人の審判が、メダルを取らせないために低い点を付けたんでしょ」「韓国が仕組んで、日本人選手が高得点を獲得できないようにしている!」と、不自然な得点の低さを韓国人審判の責任だと断罪する声まであって…!?
本当にそのような「韓国人審判の陰謀」が存在するのでしょうか。
ネット上での反響に注目しつつ、その真相に迫ってみました。
回転不足による減点は不自然ではない?
確かに今回の宮原選手の演技は、転倒といったミスもなく、素人目に見れば「完璧」ともいえるものでした。
本人も、演技後には笑顔でガッツポーズをしていましたから、それなりの手ごたえがあったのでしょう。
しかしその明るい表情は、点数を確認したとたん一気に曇ってしまいました。
海外のフィギュアファンからもSNSを通じ、「ミヤハラの演技には心から感動した。あのスコアには全く正義が感じられない」「もっと加点されるべき。ジャッジたちは自分が何をしているのか理解していない」といった批判が噴出しているようですね。
一方で、今回の点数について冷静に分析する声もあります。
トリノ五輪4位の村主 章枝氏をはじめとする多くの解説者は、得点減につながった「ジャンプの回転不足」に注目しているようですね。
宮原選手はジュニア時代から、回転不足を取られることが多かった選手です。
「今回の演技においては全く問題なかった」という意見も確かにあるのですが、近年はジャッジが厳格化している傾向もあり、回転不足による減点は不自然なものではなかった…という見方も複数あるのです。
また、「韓国人ジャッジが極端に低い点数を付けたとしても、大勢に影響はない」という意見も散見されました。
確かに審判は複数いますから、一国の採点が日本を陥れる意図を持っていても、最終的な順位に大きな影響を与えるのは難しいかもしれません。
断定的なことは言えませんが…。
採点競技の問題点
とはいえ、皆が同条件で一斉に行う陸上短距離などと違い、やはりフィギュアのような「採点競技」には難しい面もありますよね…。
私が今回の論争を見て真っ先に思い出したのは、「ソルトレイク・ゲート事件」でした。
この事件は、2002年・ソルトレイク五輪のスケート競技において明らかにおかしな採点が行われ、北米のマスコミが「不当採点」として大きく問題視したことに端を発します。
後日フランスの審判が、「フランススケート連盟から圧力を受けていた」と涙ながらに告白し、特定の国が有利になるようジャッジを行っていたと認めたため、2つの国に対して金メダルが授与されるという異例の事態にまで発展しました。
こういう話を聞くと、応援する立場の私たちも、力が抜けてしまいますよね。
まして、全てをささげてオリンピックのために努力を続ける選手たちの気持ちを思うと、たまらない思いです。
しかしながら、このような事件を経て、現在ではより不正が行われにくい体制が確立されていると言います。
人が採点するものなので、100%主観を交えず公平に…とはいかないのかも知れませんが、悪意のある操作は絶対にやめてほしいですし、今回の採点についてもそのような陰謀はなかったと信じたいですね。
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