オーケストラの指揮者が出たり入ったりするのはなぜ?その理由を解説

オーケストラのコンサートは、ただ音楽を楽しむだけではなく、その演出やエチケットにも魅力があります。

その一つに、指揮者がステージに出たり入ったりする様子があります。

これはなぜなのでしょうか?

シンプルな答えとしては、「それがオーケストラの伝統的なエチケットであるから」です。

しかし、その背後には、音楽、エチケット、そして指揮者の役割に深く根ざした理由があります。

今回の記事では、なぜオーケストラのクラシックコンサートでは指揮者がステージに出たり入ったりするのか、その理由について詳細を解説しています。

エチケットとしての出入り

(画像引用:https://visitmatsumoto.com/)

まず、指揮者がステージを出入りする行為は、主にオーディエンスからの拍手を受け入れ、感謝するためのエチケットであります。

指揮者がステージに初めて登場するとき、これはコンサートの始まりを示す重要な瞬間です。

観客は拍手を送り、指揮者は観客を認識します。

これは、ピエロがサーカスのリングに入る瞬間や、映画が始まる瞬間に、ポップコーンを食べるのを止めてスクリーンに注目するのと同じです。

これらの行為は、コンサートが始まり、音楽が流れ始める準備が整ったことを示しています。

各曲が終わるごとに、指揮者は一旦ステージを離れます。

これは、演奏が一区切りついたことを示し、観客がその楽曲を振り返り、また次の楽曲に備える時間を提供します。

そして、観客が拍手を続けると、指揮者は再びステージに出て、拍手を受け入れ、特に優れた演奏をしたオーケストラのメンバーを指名することがあります。

これは観客と指揮者、そして演奏者との間のコミュニケーションを促進し、コンサートの一体感を強化します。これは、スポーツの試合で選手が観客の声援を受け入れ、応える様子と似ています。

音楽との対話

指揮者のステージの出入りは、音楽との対話の一部でもあります。

例えば、静かな曲が終わるとき、指揮者はその美しい瞬間を延長しようと、まるで音楽がまだ空気中に残っているかのように手を上げたままにすることがあります。

そして、その手が下がった瞬間が、曲が完全に終わった瞬間となります。

これは、観客がその音楽の余韻を感じ取り続ける時間を作り出し、その後の拍手や感動の表現につながります。

ここで指揮者のステージの出入りが果たしているのは、単にエチケットや慣習だけでなく、オーケストラのコンサートにおける重要な要素であることがわかります。

それは音楽の流れを作り出し、観客と演奏者との間のコミュニケーションを促進し、コンサートの一体感を強化する役割を果たします。

指揮者としての役割

(画像引用:https://clap.site/why-need-conductor/)

しかし、このエチケットの背後には、指揮者がオーケストラにとってどれほど重要な存在であるかという事実があります。

指揮者はオーケストラの音楽的なガイドであり、演奏する曲目を選び、楽譜を解釈し、それをオーケストラのメンバーに伝えます。

彼らは楽曲のテンポを設定し、適切なタイミングでメンバーが演奏を始めるようにします。

そして、彼らは各楽章のフレーズを「形作る」ことで、楽曲の感情表現や音楽的な流れを作り出します。

このようにして、指揮者はまるで川の水を整え、流れを作り出すダムの役割を果たしています。

リハーサルとコンサート

指揮者の役割は、コンサートの前のリハーサルでもっと明確に見られます。

リハーサルでは、指揮者はオーケストラと共に楽曲を練習し、各パートのタイミングやバランス、音色などを調整します。

これはまるで、映画監督が俳優たちと一緒にシーンをリハーサルするようなものです。

映画監督がシーンの感情や雰囲気を作り出すのと同じように、指揮者もまた楽曲の感情表現や音楽的な流れを作り出します。

この過程で、指揮者は楽曲の解釈を具体化し、オーケストラのメンバーにその解釈を伝えます。

そして、この指揮者の解釈と指示が、コンサートでのオーケストラの演奏を形成します。

つまり、指揮者はオーケストラの音楽を統一的にまとめ上げ、一つの音楽作品として観客に届けるための重要な役割を果たしているのです。

そのため、指揮者がステージに出入りすることで、それはただ単に観客からの拍手を受けるだけではなく、その音楽的なリーダーシップと影響力を再確認する行為でもあります。

指揮者と観客

指揮者がステージに出てきたり、退場したりするたびに、観客はその存在を認識し、その音楽的なガイド役としての役割を思い出すのです。

これは、映画の監督がカメラの前に出てきて、自分が作った映画の観客に対する解説をするようなものです。

監督が映画の視覚的なガイドであるように、指揮者もまた音楽の聴覚的なガイドであり、その存在はコンサートの体験を豊かにします。

まとめ

オーケストラの指揮者がステージを出入りする理由を見てきたところで、それは単なるエチケットや慣習以上のものであり、音楽的なコミュニケーションとコンサート体験の一部であることがわかりました。

指揮者はオーケストラの音楽的なリーダーであり、その存在と行動は音楽の流れを作り出し、観客と演奏者との間の関係を強化します。

そして、彼らがステージを出入りすることで、それは音楽体験全体をより豊かで一体感のあるものにします。

また、それは指揮者がオーケストラにとってどれほど重要な存在であるかを視覚的に示すものでもあります。

指揮者がステージに出入りするたびに、観客はその重要性を認識し、その音楽的なガイド役としての役割を思い出すのです。

このようにして、指揮者のステージの出入りは、オーケストラのコンサートの魅力を一層引き立てる、重要な要素となっています。

補足:カーテンコールについて

(画像引用:https://akira-nonaka.blog.ss-blog.jp/)

カーテンコールについても補足しておきたいと思います。

お芝居やオペラの終わりには、緞帳が降りてから演者が出てきて拍手に応える「カーテンコール」があります。

かつてはオーケストラのコンサートも劇場で行われており、舞台の緞帳のすき間から演奏家が顔を出す「オペラと同じ方法のカーテンコール」が行われていました。

しかし、演奏会専用のコンサートホールができたため、緞帳のすきまから登場する方法はできなくなり、現在の「コンサート形式のカーテンコール」が始まりました。

アンコール曲目が用意されている場合、指揮者がカーテンコールをしている間にオーケストラのメンバーが楽譜をめくったり差し替えたりすることがあります。

また、必要な奏者が登場することもあります。

通常、アンコール曲が用意されていてもカーテンコールは2〜3回行われることが一般的で、5回以上行われてもアンコール曲が演奏されない場合は、それが終了の合図とされています。

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