4月1日に三井生命から社名を変更した「大樹生命」のCMが、結構な頻度でOAされていますね。
CMキャラクターとして戸田 恵梨香さん・竹内 涼真さんの両名が豪華揃い踏みをしていることもあり、視聴者の関心も高い様子です。
先日は当ブログのこちらの記事において、CMソングが好評を得ている点に関してもお伝えしました^^
しかしながら同シリーズの「大樹セレクト 働く人応援ほけん フラッグ」篇については、結構な批判の声が上がっているようなんです;
CM内の構図がとある写真を彷彿とさせるとして、「不謹慎だ!」と指摘する方が多くいらっしゃるのですが、これは一体どういうことなのでしょう?
「硫黄島の星条旗」に酷似!?
どうやら批判の理由は、傷付いた人々を従えながら崖の上に旗を立てる竹内さんの姿が、ピューリッツァー賞を受賞した超有名写真「硫黄島の星条旗」に酷似しているという点のようです。
大樹生命のこのCM毎回思うけど、「日本軍の兵士が温度が60度にもなる地下壕で水を求めて決死隊を組み、壕から出ようとするけど出口で米軍兵士が待ってて毎回全員殺された」って言う硫黄島の戦いのこれですよね? pic.twitter.com/J4Enh4p8Hg
— chloeyuki (@chloeyuki) 2019年6月12日
確かに両者の構図は非常によく似ていますね。
なお「硫黄島の星条旗」は太平洋戦争の硫黄島の戦いにおいて、占領した山頂に米国旗を掲揚する6名の兵士を撮影した一葉となります。
こちらの写真は「世界で最も美しい戦争写真」などと称されることもありますが、その背景には多くの死者…こと日本兵の犠牲者が存在するんですよね。
それを広告のネタとして扱ったとあっては、多くの方が心を痛めるのも無理のないことでしょう。
CM映像は「オマージュ」か?
ただ個人的な意見にはなるのですが、実際に今回のCMが「硫黄島の星条旗」から着想を得ているかというと、断定はできない気がします。
というのも私自身はCMの映像を見て、ドラクロワの絵画「民衆を導く自由の女神」を最初に連想したんですよ;
「民衆を導く自由の女神」は1830年に起きたフランス7月革命を主題とした作品で、フランス国旗を右手で掲げながら民衆を導く果敢な女性の姿が描かれています。
自由のために戦う民衆を鼓舞するようなモチーフは、同じ戦争をテーマにしている点もそうですし、「硫黄島の星条旗」と共通点が多い気がしませんか?
思うに、苦労の末「旗を掲げる」という行為自体が、栄光や勝利のメタファーなのでしょう。
そしてCMが伝えたかったイメージも、この点に集約されると考えます。
旗を掲げる姿を強調することで「懸命に働く人たちの前途が輝かしいものになるように」とか、「大樹生命が旗手を務めるから(皆を導くから)、安心してついてきて!」といったメッセージを伝えたかったんだと思うんですよ。
もちろん製作者側が気付かぬうちに「硫黄島の星条旗」から発想を得ていた可能性は否定できないですし、こっそりヒントにしていたなんてケースもあるかもしれません。
たださすがに、明確なオマージュとして今回のCMを仕上げたわけではないと感じます。
多くの方がおっしゃるように、それはさすがに不謹慎でしょう。
ともあれSNS等に指摘の声が相次いでいる時点で、やはりCMの構成は軽率だったともいえそうですね。
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