ビデオ・オン・デマンド(VOD)が流行った事により自宅で映画を観る人が増えました。
最近では劇場公開したばかりの映画もVODで鑑賞できるようになりましたが、映画館も設備やサービスが近年発展しており、足を運ぶ方は結構多いようです。
しかし、映画館で映画を鑑賞するにあたり、以前から不満として挙げられているのが上映前のCMや予告の長さです。
映画館は好きだけれどCMや予告がうざい、嫌いという方も多いようです。
今回はなぜ映画館のCMや予告は長いのか、その理由について調べてみました。
CMや予告が長い3つの理由
まず、映画館で流れるCMや予告編の一般的な長さについて説明します。
これは映画館や広告主、または映画の種類によりますが、平均的には約15分から20分程度となっています。
しかし、これはあくまで平均的な数値であり、特集上映や一部の映画では除外されることもあるようです。
次に、映画館がCMや予告編を長く流す理由ですが、主に以下の3つが挙げられます。
観客への情報提供
公開予定の映画の予告は新作映画の情報を観客に伝えるためのものであり、それを通じて観客が映画に興味を持つことを促すためです。
映画の魅力を十分に伝えるためには、どうしても長く映像を流す必要があります。
映画館の経済的利益
映画館がCMや予告編を流すことで、映画製作会社から収益を得ています。
地元企業のCMも同様です。
CMや予告編は映画館の重要な収入源であり、映画館の経営には欠かせない存在となっています。
「高い料金を払って見に来ているのに、なぜ長いCMが流れるの?」と疑問を持つ方も多いようですが、チケットの売上だけでは映画館や映画製作会社は現実的に厳しいようです。
待ち時間の有効活用
映画が始まるまでの待ち時間を有効に活用するためにも、CMや予告編が流されます。
これにより、観客は映画が始まるまでの時間を有意義に過ごすことができます。
また、映画館によっては、映画が始まる前に20分程度のCMや予告編を流すこともあるとされています。
これは観客が映画館に到着してから座席につくまでの時間、またはポップコーンやドリンクを購入する時間を考慮した結果であると言えます。
さらに、映画館のコンセッション(売店)で販売されている飲食物の購入を奨励するという面もあります。
一部の映画館では、劇場内での飲食を許可していますが、その場合でも基本的には劇場のコンセッションで購入したもののみ持ち込みが許可されています。
これは映画館がさらなる収益を得るための戦略であり、長い予告編やCMの時間は観客が飲食物を購入しやすい環境を作り出しています。
映画館の経済的な利益と情報提供
さて、このような映画館のCMや予告編の長さについては、一部からは批判的な意見もあります。
映画館の業界団体であるアメリカの全国劇場オーナー協会(NATO)は、予告編の長さを2分(120秒)に制限することを提案しています。
これは現在の標準である2分半よりも短く、これにより観客が予告編を見る時間が減らされることを期待しています。
また、予告編がプロットの大部分を明らかにしすぎるという問題にも対処しようとしています。
しかしながら、映画製作会社はこの提案に反対の立場を取っています。
彼らは、予告編の時間を短くすると、映画の魅力を十分に伝えることができないと主張しています。
さらに、現在のガイドラインでは1年に1回だけより長い予告編を制作することが許可されており、その時間を利用して映画の見どころを観客に伝えたいと考えています。
結局のところ、映画館のCMや予告編の長さは、映画館の経済的な利益、観客への情報提供、待ち時間の有効活用という3つの要素のバランスを取ることで決まっています。
実際は「映画館の経済的な利益」という部分が一番の原因のようです。
映画館と映画製作会社は、これらの要素を考慮しながら、観客が最も楽しめる映画体験を提供しようと努力しています。
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