先日、秋田市に363店舗目を出店し、全都道府県への展開を成し遂げた「いきなり!ステーキ」。
順調に拡大路線を突き進んでいるかにみえますが、その一方で「集客力に陰りが見え始めた」との報道も流れています。
原因としては、多くの消費者が「実は大して安くない」と感じ始めたため…という指摘も行われていますね。
確かに、いきなり!ステーキが急成長した要因は「本格的な厚切りステーキが格安価格で楽しめる」点にあったと思うので、その安さの部分が揺らいでしまうとなると、客離れが起こるのも致し方ない気がします。
そこで今回は改めて、「そもそも、いきなり!ステーキは本当に安いのか?」というテーマについて考えてみました。
いきなり!ステーキのウリは何といっても「安さ」
まずは、同店のCMを見てみましょう。
「厚切りステーキがこの価格!」のあおりとともに映し出される「リブロース ステーキ 1グラム6.9円(税抜き)」という大きな文字。
企業側もいきなり!ステーキのPRに当たっては、「安さ」という面を強調したい様子ですね。
併せて、公式サイトの内容にも目を通してみます。
「こだわり」のページを見ると、冒頭部分から「立ち飲み食いでステーキとワインを楽しむスタイルにより、コストパフォーマンスを追求しています」との記載があり、やはり高級料理とされるステーキを手軽に・安く楽しめるというスタイルが、いきなり!ステーキの理念であると伝わってきます。
しかしながら同じページを読み進めると、「当店のオススメステーキは300g以上のビッグサイズ」との案内がありますね。
CMなどにおいて、文字どおりいきなり「1グラム6.9円」なんて謳われると、ついつい6.9という数字ばかりに気を取られてしまうのですが、店オススメのサイズを食すには「6.9×300g=2,070円」となり、最低でも2,070円が必要ということです。
これに、サイドメニューを付け足して消費税を加算するとなると…。
う~ん、1回分の食費としてはなかなかの出費ではないでしょうか^^;
しかもグラム単位の量り売りとはいいながら、リブの注文は300gからしか受け付けてもらえないんですよね!
価格や注文に必要なグラム数の設定は肉の種類によって異なりますが、どれを選んだ場合でも、そこそこの値段にはなってしまいます。
1g当たりの値段のみをことさら強調することは、広告上のインパクトを狙った「話題作り」と考えることもできそうですよね;
「値上げ」の影響も甚大
ということで、私は以前からいきなり!ステーキは大して安くないと思っていたのですが(笑)、多くの消費者がそう考え始めたであろう背景には、2018年5月に実施された「値上げ」の影響がかなりあったともいわれています。
立って食べなくてはならないという不便はあるものの、おいしいステーキを低価格で口にできるメリットがそれを超越していたからこそ、行列ができるほどの人気を誇っていた同店ですが、価格改定により、最大の魅力が半減してしまったというんですよ;
値上げ後の5~7月が大幅な売り上げ減少となったのは、それまでの客層が値上げに対して敏感に反応し、「この価格ならば、もう行く価値がない」と判断した結果に他ならないのではないでしょうか?
ということで現状のいきなり!ステーキについては、「多くの人がコンスタントに足を運びたいと思えるほどは安くはない」「値段以上の価値が感じられにくくなっている」状態だといえそうです。
当然、高級な鉄板焼きの店で食すステーキなどに比べればはるかにお手頃ですが、今は同じようなレベルの肉をもっと安く提供する類似店も乱発していますからね;
いきなり!ステーキは正念場を迎えているのかもしれません。
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