4月1日に決定した新元号・令和に絡み、「もともと政府は令和ありきで選定作業を進めていた」「出典を万葉集としたのは、ただの後付けでは?」との声が上がっているようです。
もちろん政府側がそのようにほのめかしたわけではないのですが、何とも気になる見立てではありますね。
仮に「令和ありき」の改元が執り行われたとして、こちらの元号に政府が固執した理由は何なのでしょうか?
何とか「令」の字を使いたかった?
令和というワードについては、特に「令」の字に注目が集まっています。
実のところ「令」は、初めて元号に採用された漢字なんですよ!
調べてみると、大化から令和まで、日本の長い歴史においては計248もの元号が使用されてきたのですが、そこに登場した漢字はたった73文字に集約されるのだそうです。
天皇が自らの権威や独自色をアピールするとともに、長く良い時代になってほしいとの願いを込めるため、特定の漢字が好まれ、繰り返し採用される傾向があるんですね。
要は「元号向き」の漢字が幾つか存在しているわけですよ。
そういった背景がありながら、突如現れた「令」という異質な文字。
これまでは候補に上がったことすら一度しかないといいます。
なのにあえて「令」の字がピックアップされたことに関しては、「政府の思惑」が見え隠れすると、一部の方たちは指摘しますね。
「令」の字は「命令をくだす。布告する」との意味合いを持ちますから、これに固執した政府には「国民に向けて意のままに命令をくだし、完全にコントロールしてしまいたい」との影の意向があるというのです!
「日本の古典が出典」を強調したかった?
政府の陰謀説を唱える層は、「令」という文字が決まった次の段階で「万葉集からのそれらしい言葉探し」がスタートしたと推測していますよ。
出典元として万葉集が選ばれた理由は、こちらの和歌集が「日本の古典」であるからに他なりません。
これまでの元号は、全て漢籍(中国の書物)を典拠としたものばかりでした。
しかしながら政府関係者、ことに安倍首相は中国由来からの脱却を強調し、「歴史上初めて、日本の古典を出典とする元号を制定した」との事実を、画期的な「手がら」として掲げたかったものと見られています。
一連の憶測に対しては「結論ありきの進め方が、実に安倍政権らしいやり口だ」という皮肉も投げ掛けられていますね^^;
私自身は令和という元号に特別な批判を持ち合わせていないのですが、このような推測は「なるほど、そういう見方もできるのか…」と思える程度には、論理性を持つ感じもします。
ただ、新たな時代の象徴となる元号にいろいろとケチがつくというのも、悲しいことです…。
それだけ元号への関心が高い証拠だともいえるでしょうが、なかなか難しいですね。
