現在、大学受験において、よく話題になるのが「Fランク大学」です。
調べてみると、21世紀になって、少子化などが原因で店員割れする大学が増えたことでこの言葉が生まれたようですが、その定義は今現在も人によって曖昧なようです。
今回は世間一般で認識されている「Fランク大学」の意味や偏差値基準、定義などを解説したいと思います。
大前提として、Fランク大学は私立大学を指す場合がほとんどです。
国公立大学は私立大学と受験方法や性質などが異なるため、単純に比較する事が難しいからです。
また、ほとんどの国公立大学は入学するのに平均以上の学力が必要なので、学力レベルが低いとされるFランク大学には該当しません。
①BF(ボーダーフリー)の学部・学科を有する大学
河合塾が公表している「入試難易予想ランキング表」において、不合格者数が少ないため合格率50%の偏差値帯が算出出来ず、ボーダーラインが設定できない場合、「BF」と表示されます。
このBF(ボーダーフリー)がさらに略されてFランク大学と呼ばれるようになりました。
基本的に偏差値がBFと表示されている学部・学科は他に比べると簡単に合格出来ます。
但し、受験したら必ず合格出来る訳ではないので注意が必要です。
世間ではBF(ボーダーフリー)の学部・学科を「名前さえ書けば誰でも入学できる大学」みたいな言われ方をしていますが、この認識は間違っています。
偏差値がBFというのは倍率1.1~1.2以下で不合格者が少ない場合になりますので、もし倍率1.2倍の場合だと12人受験したら2人は不合格で落ちてしまうのです。
特に芸術系やスポーツ系などの特殊な学部・学科では、そもそもの受験者数が少ないため、BFと表示されている場合が多いですが、実力が伴っていなければ確実に落ちます。
また、店員割れ大学(全入大学)についても、受験者全員が必ず合格するとは限りません。
学生の人数が減っても就職率や学生の質を一定水準に保ちたいと考えている大学もありますので、定員割れ大学でも0点であれば不合格になる場合もあります。
②偏差値が37.4以下(35.0)の学部・学科を有する大学
河合塾の「入試難易予想ランキング表」では偏差値を16区分にわけていますが、37.4以下の偏差値帯は「35.0」で表示されています。
この「35.0」で偏差値が表示された学部・学科を有する大学も世間ではFランク大学と呼ばれています。
但し、この偏差値についても注意が必要です。
偏差値というのは一般入試の合格者を絞れば上がり、一般入試の合格者を増やせば下がる傾向にあります。
この偏差値のカラクリを利用して、推薦合格者を増やし一般入試の合格者を絞る事で偏差値を上げてイメージアップを図っている大学が最近増えています。
ですので、定員割れの大学・学部・学科でも偏差値を40ぐらいに上げる事も可能になります。
また、文系と理系では平均に格差があり、一般的に理系の方が平均レベルは高い傾向にあります。
実際、どこでもいいのでとりあえず大学に入学する事だけを目的とした、ほとんど勉強をしていない学生は、大抵私立文系に行きます。
学力レベルの低い大学や新設大学の多くは理系の学部がありません。
ですので、偏差値が37.4以下(35.0)の学部・学科でも理系の場合はFランク大学には該当しない場合が多いです。
③「日東駒専」未満の大学
大学群の1つである「日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)」より偏差値が低い大学がFランク大学と呼ばれています。
現在、Fランク大学にはこの基準が一番多く利用されているようですが、難しいのが「日東駒専」未満が具体的にどれぐらいの偏差値なのかという点です。
例えば日本大学だけ見てみても、学部・学科によって偏差値にバラツキがあります。
そもそも、大学単位で偏差値を算出するのは無理な場合が多く、本来は大学・学部・学科セットで考えなければいけません。
とは言っても、世間では大学単位である程度のイメージが決まってしまうというのが実情です。
「日本大学の経済学部と東洋大学の経済学部を比較すると、東洋大学の国際経済学科よりも日本大学の産業経営学科の方がレベルは高いから…」みたいな事を言う人はほとんど居ないはずです。
ですので、「日東駒専」未満の大学というのは感覚的に判断されている感じになると思います。
まとめますと、Fランク大学というのは明確な定義は無く、人によって基準はバラバラになりますが、主に以下の3つの基準が採用されていると考えられます。
①BF(ボーダーフリー)の学部・学科を有する大学
②偏差値が37.4以下(35.0)の学部・学科(理系は除く)を有する大学
③「日東駒専」未満の大学
あくまでこの基準は私個人の見解になりますので、上記が絶対に正解ではありません。
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