最近、「宮沢 賢治は同性愛者だったんだって!」という話を耳にしました。
宮沢 賢治といえば、「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」などで大変有名な作家です。
学校の授業にもたびたび登場するため、その存在を全く知らないという方はほとんどいないでしょう。
しかしながら、少なくとも個人的にいえば、宮沢 賢治が同性愛者との説は今回初めて知りましたね。
ここにきてそのような話が広まっている背景は何なのでしょう?
話の出どころはNHKの特集だった!
例えば同じく日本を代表する作家の三島 由紀夫などについては、同性愛の傾向があったという話はよく知られるところですよね。
現在も活躍中の美輪 明宏さんと親密な関係にあったことは余りにも有名ですし、その著書「仮面の告白」を読むにつけても、そういうことか…という感じは如実にあります。
一方の宮沢 賢治は童話作家としてのイメージが強いこともあるのでしょうが、彼の作風から「同性愛」というキーワードは連想しづらいと思うんですよ。
そんなわけで、何をきっかけにこのような話が出たのかと調べてみたところ、どうやら2月9日にNHKで放送されたETV特集「宮沢賢治 銀河への旅~慟哭(どうこく)の愛と祈り~」が出どころになっていると判明したのです!
番組における賢治の描かれ方とは?
同番組では「宮沢賢治には、生涯をかけて愛した同い年の男性がいた」との切り口から、名作誕生の背景にある一人の男性と賢治の深い交流が描かれていました。
残された手紙・ノート・資料などを改めて読み解き、ドラマを織り交ぜながら、「新たな賢治像」とその心の風景に迫る内容だったんですね!
そしてキモになる男性二人が心を通わせる様が、同性の友情というよりも恋愛的なニュアンスを過分に含んだものだったため、視聴者の中に「宮沢 賢治=同性愛者」との結論に達する人たちが現れたらしいのです。
番組がそのような仕上がりになったのは、監修者が賢治同性愛者説を唱える人物だったためともいわれていますね。
ただ一部からは、「再現ドラマの演出が過剰だった」「二人の関係が曲解されている」との批判も出ています。
結局のところ、宮沢 賢治が同性愛者であるというのは一つの「説」であり、断定できる材料がない中で、様々な考察がなされているということなんですよ。
ただ、宮沢 賢治に関しては生涯独身を貫いたという事実や、死ぬまで純潔を守ったらしいとの見方もあり、同性愛者というのも根も葉もないトンデモな説とは言い切れません。
あのように優しい物語を紡ぐことができるのですから、男や女といったカテゴリーで他人を括るのではなく、「人」そのものを愛すことができる人物だったのかもしれないですよね^^
そういう多角的な視点から彼の人となりに思いを馳せえることは、決して悪いことではないと考えます。
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