2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる「新国立競技場」が、11月30日に完成しました!
36か月の工期を終え、掛かった整備費は実に1569億円。
紆余曲折ありましたが、ついに完成したとの報が入ると、やはり気分が盛り上がりますね^^
このタイミングでメインスタジアムの正式名称は「国立競技場」となり、大会期間中には「オリンピック(五輪)スタジアム」の呼称が用いられるそうです。
早速周辺には記念写真を撮る人々が詰めかけているとも聞きましたが、遠方に住む私は関連記事に添えられた写真を確認してみましたよ^^
すると、屋根の一部に黒いギザギザのような部分が設けられていることに気付きました。
こちらの部分だけ明らかに周辺とは異質な感じに仕上がっており、透き通るような光沢がソーラーパネルのようにも見受けられますが、形が何だかいびつな点が引っ掛かりますね。
屋根の黒いギザギザは、一体何のために設置されたのでしょう?
屋根のギザギザには重要な役割があった!
新国立競技場、年十数億円赤字も だれも「手を挙げない」民営化先送り https://t.co/SWfTOjU320
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) November 30, 2019
調べてみると、どうやら黒いギザギザの部分には「トップライト」という正式な呼称があるようです。
そして大屋根の南側に配されたトップライトは、「天然芝に効率良く自然光を取り込む」役割と果たすといいますね!
芝生への日照を確保するため、トップライトは「ガラス製」のつくりとなっています。
それゆえ俯瞰して眺めると、そこだけ透明になっているように見えるというわけです^^
なるほどトップライトの果たす役割についてはよく理解できましたが、このギザギザ部分の形が左右非対称で、屋根全体のバランスを考えると配置された部分も何となく不自然に感じられるのはなぜでしょう?
当初私は、一部の色に変化を持たせたことを髪の毛にメッシュを入れるようなデザイン上のアクセントと考えていたので、天然光を取り込むにしても見た目のバランスは良いに越したことがないと感じるのですが、その形状や配置部分にも何か理由があるのかリサーチを進めました。
形状や配置場所も綿密に練られたもの!
新国立競技場が完成しました。整備費は国内最高の1569億円に上り、東京五輪・パラリンピック後の活用を不安視する声も絶えません。大会のレガシー、新たな東京の象徴として価値を高めていく知恵が問われます=樋口慧撮影https://t.co/Nudyz0mmau pic.twitter.com/8lrWi5uRCF
— 日経 写真映像部 (@nikkeiphoto) November 30, 2019
5月に完成の報が入った新国立競技場の屋根については、もともと「最難関工事」との話が付いて回っていました。
建築家の隈 研吾氏がデザインした屋根部分は観客席をぐるりと覆って日陰を生み出す設計となっているのですが、国産木材と鉄骨を組み合わせる作業に高い技術を要すとされていたんですね。
そのためどこか不自然なトップライトをみたとき「これで本当に完成?もしや何かミスがあったのでは…」と勘ぐってもみたものの、昨年2月に工事を始め、約1年3か月を要した一連の作業中に、目立った問題は起こらなかったといいます。
それではピカチュウのしっぽのような形状はどこから来ているのかというと、ピッチ面に対する日照分布シミュレーションを実施した上で綿密に導き出したものだそうです。
もっといえば、冬季の天然芝育成に最も適した形状を採用しているそうですね^^
もちろん屋根の中における配置も、太陽の方向を計算したものになっています。
そういったわけで何も事前情報がなければ、「なぜ一部だけ色が違うのか?デザインにしては、不格好な仕上がりになっている」との疑問を抱いてしまうのです。
なお屋根以外の部分についても、新国立競技場の設計は計算されつくしたものになっていますよ!
選手がスムーズに移動できる動線を確保することはもちろん、スタンドの勾配を徐々に急にした“すり鉢状”の3層スタンドはアスリートと観客との一体感を創出することに一役買っていますし、芝散水システムといった“フィールド整備システム”も万全です。
その他ユニバーサルデザインに気を配るなど、目に見えない部分においても、すべての人が安心して快適に観戦できるスタジアムに仕上がっているわけですね^^
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