「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の開催を受け、ラグビー熱が高まる中、SNS等に「どうしてイギリスは4チームも出場できるの?」との疑問が数多く寄せられています。
背景が分からないこともあり、不公平ではないかと首を傾げている方もいらっしゃるようですので、イギリスが複数チーム出場できる理由をまとめました。
そもそもイギリスってどんな国?
私たちがイギリスと呼んでいる国は、実のところ正式名称を「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」といいます。
細かくいえば、イングランド/ウェールズ/スコットランド/北アイルランドという4つの国からなる、連合体というわけですね。
日本での一般的な通称はイギリスですが、連合王国における政治経済の中心・イングランド以外の3か国も、独自の議会と法律を有しています。
なおアイルランドはその歴史において南北に分割されており、北アイルランドだけが連合王国内に留まるかたちになりました。
複雑!?代表チームの考え方
以上のような国としての性質に留意すれば、イギリスの代表が複数存在する理由も何となく理解できる気がしますね。
実際「イギリス代表」という登録はないわけですし、単純に連合体を形成するそれぞれの国(カントリー)単位でチームを形成しているのかな?という予想は立ちます。
しかしながらそれだけの背景であれば、ワールドラグビーには「イングランド代表/ウェールズ代表/スコットランド代表/アイルランド代表」という4チームがあり、オリンピックはそうでない理由が見付かりませんよね。
前置きが長くなりましたが、ラグビーの代表チームはオリンピックのような国単位ではなく、「協会単位」で形成されているのです。
連合国を構成する各国にそれぞれ協会があるため、イギリスには4チームが存在するということですね。
ちなみにアイルランド代表というのは、いわゆる北アイルランド代表のことではありません。
アイルランドには南北に分かれる以前からアイルランドラグビー協会(IRFU)が存在しており、この協会が今も機能しているんですよ!
よってラグビーアイルランド代表というのは、アイルランドラグビー協会によって組織されるラグビーユニオンのナショナルチームのことを指し、アイルランド共和国および北アイルランドから選手が選出されるシステムになっています。
非常に分かりづらくはありますが、アイルランド代表はイギリスの北アイルランドとアイルランド共和国の合同チームで、2か国からなる代表チームというわけですね!
私自身は単純に、イギリスに代表チームが4もあるのは連合王国だからと理解していたのですが、それに加えて「協会単位」の考え方があるとは知りませんでした。
またアイルランド代表がイギリスだけのチームではなく、2か国から成るという点も驚きましたね;
日本人には理解しづらいかもしれませんが、このような背景を押さえることで、より深みのあるラグビーの楽しみ方ができそうです!
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