広瀬 すずさんが主演を務めるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」に絡み、「メタナレ」というワードが注目を集めています。
関連記事において、普通に「<なつぞら>メタナレに賛否」といった表現を見掛けるものの、「メタナレって何?」との疑問を抱く方が大勢いらっしゃるようですね。
そこで今回はメタナレの意味や使われ方について、かみ砕いて解説したいと思います。
「メタナレ」の概要をチェック!
メタナレとは、そもそも「メタナレーション(Meta Narration)」を略した言葉なのですが、その意味合いを理解するにはまず「メタ」という表現について押さえる必要があるでしょう。
メタはギリシア語を起源とする接頭語で、「高次な-」「超-」などと訳され、様々なワードとセットになって登場します。
今回ピックアップしたメタナレーションもそうですし、「メタ発言」「メタ推理」といった表現も割と耳にしますよね。
「高次なナレーション」といわれてもまだ少し分かりにくいですが、フィクションとしての物語内部において、登場キャラクターが本来知りえるはずのない情報や意味を持たない事柄についてナレーションしたり、文章の読み手や視聴者などを対象として発言したりする形態のことを、メタナレといいます。
漫画などでよくみられる、不可視であるはずの作者が登場して物語に関与する手法もメタですね。
今話題になっている「なつぞら」のケースでは、すでに亡くなっているヒロインの父親が締めのナレーションに登場し、次元を超えた視点で発言を行った部分がメタナレに当たります。
「メタナレ」の効果について解説!
論理的考えれば困難な言及をメタナレによって織り込むことは、虚構と現実の境界を揺さぶって物語の受け手に直接的な心理効果を与え、強い印象を残します。
改めて説明すると大層に聞こえますが、肩肘を張らないお遊び的なネタとして登場することも多く、あらゆる作品の中にメタは潜んでいますね^^
例えばゲームにおいてキャラクターが「○○の場合は、こちらのボタンを押してね!」などと案内することも、メタ発言といえます。
本来的な事象より一歩引いたポジションから関与することで、更に踏み込んだ発言ができるというのもメタナレのメリットでしょう。
とはいえメタナレは強烈なインパクトを残すがゆえに、物語の展開上、賛否両論を巻き起こすケースも少なくありません。
今回のナレーションに対しても「ラストのメタナレに感動した!」と絶賛の声が上がる一方、「エンディングのメタっぽい部分は蛇足だよね…。ああいった締め方は好きじゃないな」といった手厳しい意見も寄せられています。
そう考えるとメタナレは、作り手の技量が試される手法ともいえそうですね!
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